東京駅はなぜ「東京駅」という名前になった?駅名の由来を解説
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東京駅雑学20選東京駅はなぜ「東京駅」という名前になった?駅名の由来を解説
第1話 / 全20話
東京駅はなぜ「東京駅」という名前になったのでしょうか。
「東京駅だから東京駅。」
そう思っている方は多いかもしれません。
しかし実は、東京駅は建設中から「東京駅」と呼ばれていたわけではありません。設計図や議会の資料には、「中央停車場」という別の名前が登場します。
この記事では、東京駅の名前の由来と、検索でよく見かける誤解について、確認できる資料をもとに整理します。3〜5分で読み終えられる内容です。
結論:首都の代表駅として「東京駅」と命名された
先に答えをまとめます。
- この駅は1914年(大正3年)12月20日に開業し、そのときに「東京駅」と命名されました
- 計画・建設中に使われていた「中央停車場」は、正式な駅名ではなく計画上の呼び名です
- 首都・東京の玄関口となる駅であることが、そのまま駅名になりました
つまり東京駅の名前の由来は、複雑な逸話ではなく「首都・東京を代表する駅だから」という、きわめて素直なものです。
なぜ「東京駅」という名前になったのか
当時の東京には「東京」を名乗る代表駅がなかった
意外に思われるかもしれませんが、この駅ができるまで、当時の首都・東京には「東京」という名前を持つ代表駅は存在していませんでした。
日本の鉄道は1872年(明治5年)に新橋〜横浜間で開業し、その後、上野・新宿・渋谷など主要な駅が明治期に次々と生まれます。ただしそれらはすべて、その土地の地名を冠した駅でした。
皇居の正面という立地
この駅は、江戸時代からの繁華街だった京橋側ではなく、当時は空き地が広がっていた丸の内側に建設されました。
その場所は皇居の正面にあたります。駅舎中央には皇室専用の出入口も設けられました。単なる乗り換え施設ではなく、国の玄関口として構想された駅だったわけです。
新橋駅から役割が移った
それまで東海道本線の起点は新橋駅でした。しかし新しい中央停車場が完成すると、その起点は開業と同時に新しい駅へ移されます。
既存の駅の増強ではなく、首都を代表する新たな玄関口として一から整備された駅だったからこそ、地名でも位置でもなく「東京」という名称が採用されたのです。
開業時の正式名称
駅舎は1908年(明治41年)に着工し、1914年(大正3年)に竣工。12月18日に完成式が行われ、2日後の12月20日に開業しました。
このとき定められた正式名称が「東京駅」です。
「中央停車場」とは何だったのか
建設中の資料に登場するのが「中央停車場」という言葉です。
もともとは、東京市区改正計画の中で立案された構想に由来します。新橋駅と上野駅を高架鉄道で結び、その中間地点に中央の停車場を置くという計画で、1896年(明治29年)の帝国議会で建設予算が可決されました。
「停車場(ていしゃじょう)」は、駅を指す当時の言い方です。
つまり「中央停車場」とは、計画上の位置づけを表した呼び名であり、名前がまだ決まっていない段階の仮の呼称でした。鉄道博物館が所蔵する建築図面にも「中央停車場建物建築図」という表題が残っています。
誤解が生まれやすいのは、この呼称が図面や公文書に堂々と書かれているためです。しかし、開業と同時に駅名は「東京駅」に定まりました。
「東京中央駅」という名前だった?
検索でよく見かけるのが「昔は東京中央駅だった」という話です。
これは正確ではありません。確認できる資料にあるのは「中央停車場」や「東京中央停車場」といった建設段階の呼称であり、「東京中央駅」が正式な駅名として使われた記録は確認できません。
3つの言葉を整理します。
| 名称 | 位置づけ | 正式な駅名か |
|---|---|---|
| 中央停車場 | 計画・建設段階の呼び名。図面や議会資料に登場 | 正式駅名ではない |
| 東京駅 | 1914年12月20日の開業時に定められた名称 | 正式駅名 |
| 東京中央駅 | ネット上で広まった呼び方。「中央停車場」との混同とみられる | 正式に使われた記録は確認できない |
現地で見てみよう
名前の由来は、現地でも実感できます。おすすめは「名前 → 建物 → 都市」の順に見ていく歩き方です。
まずは丸の内中央口へ向かい、駅名の表示を確認してみてください。100年以上前に定められた名称が、今もそのまま使われています。
次に少し離れて丸の内駅舎全体を眺めます。2003年(平成15年)に国の重要文化財に指定され、その後、創建当時の姿へ復原されました。首都の玄関口としてつくられた建物であることが、外観からも伝わってきます。
最後に丸の内中央口の正面に立ち、行幸通りの方向を見てみましょう。皇居へまっすぐ伸びる道が見え、駅が意図的にこの向きへ据えられたことが体感的に分かります。
名前の由来や駅の正面性を感じるなら、丸の内側から歩いてみるのがおすすめです。
まとめ
最後に整理します。
- 東京駅の名前の由来は、首都・東京を代表する玄関口の駅として命名されたこと
- 開業は1914年(大正3年)12月20日で、このとき正式名称が定まった
- 「中央停車場」は計画段階の呼び名であり、正式駅名ではない
- 「東京中央駅」が正式な駅名だった記録は確認できない
普段なにげなく使っている駅名にも、こうした背景があります。
第2話では「東京駅の赤レンガはなぜ赤い?」を紹介します。
参考資料
- JR東日本「東京駅」
- 東京ステーションギャラリー
- 鉄道博物館(所蔵資料「中央停車場建物建築図」ほか)
- 国立国会図書館デジタルコレクション
- 国立公文書館
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