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東京駅雑学20選

東京駅に皇室専用の出入口があるって本当?中央玄関の歴史を解説

第9話 / 全20話

東京駅丸の内駅舎には、皇室専用として使われてきた中央玄関があります。どのような役割を持ち、現在はどうなっているのかを分かりやすく紹介します。

東京駅の丸の内駅舎の中央には、大きな玄関があります。

ところが、そこを通る人は見かけません。門は普段、閉じられたままです。

これは東京駅と皇室の関わりを示す場所だからです。この記事では、その中央玄関の役割と歴史を紹介します。

結論:中央玄関は皇室の利用を想定して設けられた

先に答えをまとめます。

  • 丸の内駅舎の中央にある玄関は、創建時から皇室の利用を想定した出入口として設けられました
  • 一般の乗客は利用できず、普段は閉鎖されています
  • 現在も皇室の方や国賓などの特別な利用時に使用されます

つまり東京駅と皇室のつながりは、過去の話ではなく、いまも建物の使われ方として続いています。

特別な用途で使われる中央玄関

位置は駅舎のちょうど中央

場所は、丸の内駅舎の南北のドームのちょうど中間です。

丸の内南口と北口の間、建物の中心線上にあたります。行幸通りから駅舎を正面に見たとき、まっすぐ視線の先に来る位置です。

皇居の正面という立地

東京駅は、皇居の正面にあたる丸の内側に建設されました。

当時の丸の内は、繁華街だった京橋側と違って開けた土地でした。この丸の内側に駅舎が建設され、その中央には皇室利用を想定した玄関が設けられました。

創建当初、駅の出入口は丸の内側だけでした。反対の八重洲側に改札が設けられたのは1929年(昭和4年)のことです。

通常は閉じられている理由

この玄関は、一般の通行を前提としていません。

用途が限られているため、使用される機会がないときは閉鎖されています。特別な仕掛けがあるわけではなく、単純に「使う人が限られている入口」ということです。

中央玄関と貴賓室

車寄せから続く動線

中央玄関の前には車寄せがあります。車を横付けし、そのまま建物内へ入れる構造です。

一般の利用者とは異なる動線が設けられている点が、この玄関の大きな特徴といえます。

貴賓室について

東京駅には、皇室の方や賓客が利用する貴賓室が設けられています。

ただし、その位置や内部の様子は一般には公開されていません。この記事でも、確認できる範囲にとどめます。

なお、貴賓室そのものは東京駅だけの特別な設備ではありません。かつては全国の主要駅に同様の部屋が設けられていました。

復原工事での扱い

2007年から2012年にかけての保存・復原工事では、中央玄関まわりも保存・復原の対象となりました。

単なる装飾として残されたのではなく、実際に使われる施設として維持されています。

丸の内駅舎は2003年(平成15年)に国の重要文化財へ指定されており、この中央玄関もその一部を構成しています。

現在も使われている?

使われています。ただし、機会は限られます。

  • 一般の乗客は利用できません
  • 皇室の方が列車を利用される際などに使用されます
  • 国賓など海外からの賓客を迎える際に使用されることもあります

使用日程が事前に公表されることはほとんどありません。通りかかったときに開いていれば、かなり珍しい光景に出会えたことになります。

また、内部の一般公開は行われていません。見学できるのは、あくまで外からの範囲です。

現地で見てみよう

外から見るだけでも、この玄関の性格はよく分かります。

まずは行幸通り側から、駅舎の中央部に注目してみてください。左右のドームに挟まれた中央に、独立した玄関があることが確認できます。装飾の密度が周囲と違うことにも気づくはずです。

中央玄関と車寄せが見える東京駅丸の内駅舎中央部
丸の内駅舎の中央部。左右のドームのちょうど中間に玄関があります。

次に、少し引いた位置から玄関と行幸通りの位置関係を見てみましょう。

玄関の正面に道路がまっすぐ伸び、その先に皇居方向が続きます。この軸が意識して計画されたことが、立ってみると実感できます。

行幸通りから見た東京駅丸の内駅舎の中央玄関
行幸通りから見た中央玄関。道路と建物の軸が重なっています。

駅舎全体を写真に収めたい場合は、駅前の商業施設「KITTE丸の内」の屋上庭園から眺めるのもおすすめです。中央玄関を軸に、左右が釣り合った構成がよく分かります。

まとめ

最後に整理します。

  • 東京駅と皇室――丸の内駅舎の中央玄関は皇室の利用を想定して設けられた
  • 位置は南北のドームのちょうど中間、行幸通りの正面
  • 一般の乗客は利用できず、普段は閉鎖されている
  • 貴賓室は設けられているが、位置や内部は一般には公開されていない
  • 復原工事で保存・復原され、現在も特別な機会に使用されている

普段は静かに閉じられた扉ですが、そこには駅が生まれたときの考え方がそのまま残っています。

第10話では「東京駅は1日に何人利用する?」を紹介します。

参考資料

  • JR東日本「東京駅丸の内駅舎」
  • 東京ステーションギャラリー
  • 文化庁 国指定文化財等データベース/文化遺産オンライン
  • 鉄道博物館
  • 国立国会図書館デジタルコレクション

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