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東京駅雑学20選

東京駅の銀の鈴はなぜ「銀の鈴」なの?名前の由来を解説

第4話 / 全20話

東京駅の待ち合わせ場所として知られる「銀の鈴」。なぜ銀の鈴という名前なのか、設置の経緯や歴代の銀の鈴、現在の場所まで分かりやすく解説します。

東京駅で最も有名な目印といえば「銀の鈴」です。

しかし、なぜ鈴なのか、なぜ銀色なのかまで知っている人は多くありません。

実はこの名前には、設置された当時の具体的な経緯があります。この記事では、東京駅の銀の鈴という名前の由来と、歴代の変遷を紹介します。

結論:駅の目印として「銀色の鈴」が選ばれた

先に答えをまとめます。

  • 初代が誕生したのは1968年(昭和43年)6月10日です
  • 当時の関係者の提案により、神社鈴をモチーフとした目印が採用されました
  • 色については金色の案もありましたが、より落ち着いた印象の銀色が選ばれました

つまり東京駅の銀の鈴という名前は、その姿をそのまま表したものです。

銀の鈴が誕生した理由

新幹線開業と利用者の増加

1964年(昭和39年)に東海道新幹線が開業すると、東京駅の利用者は大きく増えました。

当時は携帯電話がありません。広い構内で相手を見つけられず、待ち合わせに困る人が目立つようになっていました。

混雑緩和の会議から生まれた

そこで駅の混雑緩和を話し合う会議の場で、当時の東京駅乗客助役だった関口要之助氏が、ある提案をします。

「待ち合わせ場所として、巨大な銀色の神社鈴をつり下げてはどうか」という内容でした。

この案が採用され、初代の銀の鈴が誕生します。誰の目にも留まる大きな目印を、構内に一つ置くという発想でした。

なぜ「銀の鈴」という名前なのか

「鈴」が選ばれた理由

モチーフとなったのは神社鈴、つまり神社の拝殿につり下げられている大きな鈴です。

鈴は古くから、人を呼び、注意を促す道具として親しまれてきました。多くの人が行き交う駅の目印としてふさわしいという発想から採用されたとされています。

「銀」が選ばれた理由

色については、当時の検討で金色の案も出ていたことが公表されています。

そのうえで、より落ち着いた印象の銀色が採用されました。駅という日常の空間になじむ色が選ばれたわけです。

こうして「銀色の鈴」がそのまま呼び名となり、「銀の鈴」という名称が定着しました。特別な伝説や願掛けに由来する名前ではありません。

歴代の銀の鈴

銀の鈴はこれまでに4回作られています。現在のものは4代目です。

設置年 素材 場所
初代 1968年(昭和43年) 竹・和紙・銀紙 1階 東海道新幹線南乗換改札前
2代目 1969年(昭和44年) 鋳銅製 1階 八重洲中央改札前
3代目 1985年(昭和60年) 鋳銅製(銀メッキ) 1階 → 1994年に地下1階へ移設
4代目 2007年(平成19年) アルミ合金製 地下1階 銀の鈴広場

代替わりの理由

初代は竹と和紙による手作りでした。恒久的な設置を想定した材料ではなく、翌年には鋳銅製の2代目に切り替わります。

2代目は、鈴の中に隠したスピーカーから実際に鈴の音を流していた時期がありました。1978年(昭和53年)ころまで続いたと公表されています。

3代目のときに大きな転機がありました。1994年(平成6年)、新幹線の東京駅乗り入れにともなう駅の改良工事により、設置場所が地下1階へ移されます。

つまり、現在の「銀の鈴広場」の場所へ移されたのは1994年で、その後2007年(平成19年)10月に、地下の商業エリア「グランスタ」の開業に合わせて4代目へ更新された、という流れです。

現在の4代目

4代目をデザインしたのは、金工作家で東京藝術大学学長も務めた宮田亮平氏です。テーマは「出会いと旅立ち」とされています。

直径は約80センチ、重さは約70キロ。素材はアルミ合金です。

現在の銀の鈴はどこにある?

現在の銀の鈴は、東京駅地下1階の「銀の鈴広場」にあります。

位置関係で押さえておきたいのは次の2点です。

  • 場所は改札の内側です
  • 最も近い改札は八重洲地下中央口です

丸の内側ではなく八重洲側、しかも1階ではなく地下1階、という点が迷いやすいポイントです。東京駅を初めて利用する人がつまずきやすい場所でもあります。

改札の外から向かう場合は、八重洲地下中央口の改札を入るのが最短です。新幹線から向かう場合も、いったん地下へ下りる必要があります。

現地で見てみよう

まずは少し離れた位置から全体を眺めてみてください。天井からつり下げられた大きな鈴が見えます。神社鈴の形が下敷きになっていることが分かるはずです。

地下1階銀の鈴広場に天井からつり下げられた4代目銀の鈴
地下1階「銀の鈴広場」の4代目銀の鈴。天井からつり下げられています。

次に、近づいて表面を観察してみましょう。

4代目は、なめらかな金属の面に流れるような曲線が刻まれています。鈴をつり下げている上部の金具まわりにも造形が施されており、金工作家の作品であることが伝わってきます。

銀の鈴の表面に見える曲線と上部の造形
近づくと、表面の曲線や上部の造形まで観察できます。

訪れるタイミングによっては、鈴の音をイメージしたメロディーを聞くこともできます。

銀の鈴の周囲にはベンチもあり、現在も東京駅を代表する待ち合わせスポットの一つになっています。

まとめ

最後に整理します。

  • 東京駅の銀の鈴は1968年(昭和43年)6月10日に初代が誕生した
  • きっかけは、新幹線開業後に待ち合わせで困る人が増えたこと
  • 「鈴」は神社鈴をモチーフに、駅の目印としてふさわしいと考えられ採用された
  • 「銀」は、金色案に対して落ち着いた印象の色が選ばれた結果
  • 現在は4代目。2007年設置で、宮田亮平氏のデザイン
  • 場所は地下1階の改札内、八重洲地下中央口が最寄り

名前の由来を知ってから見ると、いつもの待ち合わせ場所が少し違って見えるはずです。

第5話では「東京駅は何番ホームまである?」を紹介します。

参考資料

  • JR東日本
  • グランスタ(JR東日本クロスステーション)「銀の鈴の歴史」
  • 鉄道会館
  • 鉄道博物館
  • 国立国会図書館デジタルコレクション

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