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東京駅雑学20選

東京駅の銀の鈴はなぜ待ち合わせ場所になった?誕生と歴史を解説

第18話 / 全20話

東京駅の銀の鈴は、なぜ代表的な待ち合わせ場所になったのでしょうか。1968年の誕生、目印として生まれた経緯、歴代の銀の鈴、現在の設置場所と利用時の注意点を解説します。

東京駅には多くの改札、通路、ホームがあります。待ち合わせ相手を見つけるのが難しい駅です。

その中で「銀の鈴」は、長年にわたって代表的な待ち合わせ場所として知られてきました。

では、東京駅の銀の鈴はなぜ待ち合わせ場所になったのでしょうか。いつからあるのか、いま見ている鈴は初代なのか。順に見ていきます。

結論:銀の鈴はなぜ待ち合わせ場所になった?

先に要点をまとめます。

  • 広い東京駅で、待ち合わせ相手と落ち合うための共通の目印が必要でした
  • 1968年(昭和43年)に初代が設置されました
  • 駅の混雑緩和を検討する中で、分かりやすい待ち合わせ場所として考案されました
  • 同じ名称と役割を受け継ぎながら設置され続け、東京駅の待ち合わせ場所として定着しました
  • 現在の銀の鈴は初代ではなく、4代目です

「大きくて目立つオブジェだから自然に有名になった」という話ではありません。使われ続けた結果として定着した場所です。

銀の鈴が生まれる前の東京駅

1964年(昭和39年)に東海道新幹線が開業すると、東京駅を利用する人が増え、構内で待ち合わせに困る人が目立つようになりました。

当時は携帯電話やスマートフォンがなく、待ち合わせ場所を事前に明確に決めておくことが重要でした。

しかし、東京駅には複数の改札やホームがあります。「改札の近く」と決めただけでは、同じ場所へたどり着けない可能性があります。

そこで、遠くからでも確認でき、誰もが同じ場所を思い浮かべられる共通の目印が求められました。

目印として生まれた「銀の鈴」

グランスタ公式の案内によると、誕生のきっかけは駅の混雑緩和を話し合う会議でした。

当時の東京駅乗客助役だった関口要之助氏が、「待ち合わせ場所として、巨大な銀色の神社鈴をつり下げてはどうか」と提案したと説明されています。

鈴が選ばれた理由については、古くから人を呼び、注意を促す道具として親しまれてきたことが挙げられています。色については金色の案も出ましたが、より控えめな銀色が選ばれたと公式案内で紹介されています。

こうして「銀色の鈴」がそのまま呼び名となります。名称の由来については第4話で詳しく紹介しています。

なお、初代は大きな音を鳴らして人を集める設備ではありませんでした。あくまで目で見て分かる目印として置かれたものです。

1968年に初代銀の鈴が設置

初代が誕生したのは1968年(昭和43年)6月10日です。

設置場所は、当時の東海道新幹線南乗換改札口の前。素材は竹と和紙を中心とした手作りのものでした。

ここで大切なのは、この初代がそのまま現在まで残っているわけではないという点です。初代は竹と和紙を使った手作りの鈴で、翌1969年には、より本格的な2代目へ交代しました。

場所も、その後の駅の改良工事によって何度か変わっています。

銀の鈴は何代目まである?

現在のものは4代目です。

世代 設置時期 特徴
初代 1968年6月10日 竹と和紙を使った手作りの鈴。東海道新幹線南乗換改札口前に設置
2代目 1969年11月24日 八重洲中央改札前に設置。内部のスピーカーから録音した鈴の音を流す仕掛けがあった
3代目 1985年2月19日 東京駅名店会から寄贈。1994年に1階から地下1階へ移設
4代目 2007年10月25日 グランスタ開業に合わせて設置。宮田亮平氏が制作

初代は音を鳴らす設備ではありませんでしたが、2代目からは音の演出が加わりました。鈴の内部に隠したスピーカーから、録音した鈴の音を流していた時期があります。

4代目は、当時の東京藝術大学学長で金工作家の宮田亮平氏によって制作されました。表面には、宮田氏の作品に多く登場するイルカのモチーフがあしらわれています。

名前は「銀の鈴」ですが、現在の4代目は純銀製ではなく、アルミ合金で造られています。「銀」は素材名というより、銀色の姿を表す名称です。

歴代の変遷は第4話で詳しく整理しています。

現在の銀の鈴はどこにある?

現在の設置場所は、東京駅地下1階の「銀の鈴広場」です。商業エリアのグランスタ東京の中にあります。

確認項目 内容
地下1階
改札 JR東日本の改札内
最寄り改札 八重洲地下中央口
目印 天井からつり下げられた銀色の鈴と「銀の鈴」表示
注意 改札外からは自由に入れない

ここが見落とされやすいポイントです。銀の鈴は改札の内側にあります。

改札外にいる人が向かう場合、乗車券類または入場券が必要になります。また、東海道・山陽新幹線の専用改札内と銀の鈴広場は、同じ改札内空間ではありません。新幹線利用者が向かう場合は、在来線との乗換改札を通るなど、持っている乗車券類に応じた経路を確認してください。

今も待ち合わせに使いやすい?

利点と注意点の両方があります。

利点

  • 東京駅の中で名称がよく知られている
  • 大きな目印があり、案内表示も整っている
  • 地下にあるため、天候の影響を受けにくい
  • ベンチや周辺の店舗があり、待ち時間を過ごしやすい

注意点

  • 改札内にあるため、誰でも自由に行ける場所ではない
  • 東京駅に不慣れな人は、たどり着くまでに迷いやすい
  • 混雑時は、広場にいても相手を見つけにくいことがある
  • 在来線利用者、新幹線利用者、改札外から来る人でアクセス条件が異なる

実際に使うなら、「銀の鈴の真下」「銀の鈴広場のベンチ付近」など、双方が同じ位置を判断できるよう、さらに具体的に決めておくと安心です。

また現在は、携帯電話で直接連絡が取れます。かつてのように「そこしかない目印」ではなくなりました。

有名な待ち合わせ場所ではありますが、誰にとっても最も便利とは限りません。相手の到着経路に合わせて選ぶのが現実的です。

現地で確認してみよう

まずは銀の鈴そのものを見てみましょう。天井からつり下げられた姿と、名称表示が確認できます。

東京駅地下1階のJR東日本改札内にある銀の鈴と名称表示
現在の銀の鈴は、東京駅地下1階のJR東日本改札内にあります。

現在の4代目から実際の鈴の音が鳴るわけではありませんが、毎時0分には鈴の音をイメージしたメロディーが流れます。時間が合えば、目印としての姿だけでなく音の演出も確認できます。

次に、周辺の案内表示を見てみてください。銀の鈴を基点に、各改札やホームへの方向が示されています。

銀の鈴と東京駅各改札・ホームの位置関係を示す案内表示
周辺の案内表示を確認すると、銀の鈴と各改札・ホームの位置関係が分かります。

撮影の際は、次の点にご配慮ください。

  • 待ち合わせ中の人を正面から撮影しない
  • 混雑時に立ち止まって通路をふさがない
  • 店舗内部を無断で撮影しない
  • 改札内へ入るには、有効な乗車券類または入場券が必要

まとめ

最後に整理します。

  • 東京駅の銀の鈴が待ち合わせ場所になった理由は、広い駅で共通の目印が必要だったため
  • 1968年(昭和43年)に初代が設置された
  • 駅側が同じ名称と役割を引き継いだことで、東京駅を代表する待ち合わせ場所として定着した
  • 現在の銀の鈴は4代目で、初代とは別のもの
  • 現在は地下1階、JR東日本の改札内にある
  • 改札外から来る人や新幹線利用者には、不便な場合もある

銀の鈴が有名になったのは、豪華な美術作品だったからだけではありません。新幹線開業後に利用者が増えた東京駅で、誰もが同じ場所を判断できる共通の目印として設置され、その役割が世代を超えて引き継がれてきたからです。

第19話では「東京駅の丸の内駅舎はどこから見るのが一番きれい?」を紹介します。

参考資料

  • グランスタ公式「出会いと別れを見守り続ける、『銀の鈴』の歴史」
  • 東京ステーションシティ「東京駅構内のみどころ」
  • 東京ステーションシティ「押さえておきたい!東京エキチカの定番待ち合わせスポット」
  • 東京ステーションシティ「東京駅構内・周辺案内MAP」
  • JR東日本「東京駅 駅構内図・バリアフリー情報」

※2代目と3代目は現存し、2018年の銀の鈴50周年企画で、復元された初代および4代目とともに展示されました。ただし、現在の常設展示場所は公式案内で確認できません。現在の設置場所や改札の区分は、訪問前に最新の公式構内図をご確認ください。

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