東京駅で一番古い場所はどこ?1914年から残る丸の内駅舎を解説
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第15話 / 全20話
東京駅で一番古い場所はどこなのでしょうか。1914年開業時から残る丸の内駅舎のレンガ壁や構造、保存・復原された部分との違い、一般利用者が見学できる場所を解説します。
東京駅には、赤レンガ駅舎、ホーム、地下通路、銀の鈴、ゼロキロポストなど、さまざまな年代の施設があります。
では、いま現在も残っている中で、一番古い場所はどこなのでしょうか。
東京駅の一番古い場所を考えるとき、注意したい点があります。見た目が古くても新しい部分があり、新しく見えても創建時の材料が使われている部分があるのです。
結論:東京駅で一番古い場所はどこ?
現在の東京駅で、開業時から残る代表的な最古級の建造物として挙げられるのが、1914年(大正3年)に竣工した丸の内駅舎です。
- 丸の内駅舎には、創建時の構造レンガ、外壁の化粧レンガや石材など、保存・補修された部分が残されています
- ただし、駅舎のすべてが1914年当時のものではありません
- 3階部分や南北ドームの屋根などには、2012年(平成24年)に復原された部分があります
そして重要なのが、個々のレンガや柱について「これが東京駅で最古」と特定することはできないという点です。現地の表示や公式資料がない限り、部材単位の年代は判断できません。
「一番古い」の基準を整理
「古い」という言葉には、いくつかの意味が混ざっています。
| 基準 | この記事での扱い |
|---|---|
| 建物として最も古い | 1914年竣工の丸の内駅舎(代表的な最古級) |
| 創建時から残る部分 | 構造レンガ、外壁の化粧レンガなど |
| 現在見える外観 | 保存部分と2012年に復原された部分が混在 |
| 最古の個別部材 | 公式資料なしには特定できない |
たとえば復原された3階部分は、「1914年のデザイン」ではありますが、部材そのものは保存・復原工事のときに造られたものです。
反対に、きれいに見える壁面にも、創建時の材料が保存・再利用されている箇所があります。
つまり、見た目だけでは年代を判断できません。ここが東京駅を歩くうえで面白いところです。
1914年から残る丸の内駅舎
丸の内駅舎の基本情報を確認します。
- 1908年(明治41年)3月25日 着工
- 1914年(大正3年)12月14日 竣工
- 1914年(大正3年)12月20日 開業
- 設計は辰野金吾(実施案は辰野葛西事務所)
- 創建時は地上3階建て、鉄骨煉瓦造を中心とする構造
- 2003年(平成15年)に国の重要文化財へ指定
文化庁の指定名称は「東京駅丸ノ内本屋」です。100年を超えていまも駅として使われている、という点がこの建物の大きな特徴といえます。
どこが創建時から残っている?
保存・復原工事では、残せる部分を残す方針が採られました。
| 部分 | 年代・扱い |
|---|---|
| 既存の構造用レンガと内部の鉄骨 | 保存・補修し、必要に応じて補強して活用 |
| 1・2階外壁の化粧レンガや石材 | 現存部分を補修し、一部の材料を再利用 |
| 3階部分 | SRC造で新たに増築し、外観を創建時の姿に復原 |
| 南北八角広室のドーム屋根・内部装飾 | 残存する建物部分を生かしながら、失われた屋根形状や装飾を資料・痕跡に基づいて復原 |
おおまかに整理すると、2階以下には創建時から残る主要構造部や外壁部分があり、戦災で失われた3階部分は保存・復原工事で新たに増築されました。
ただし、保存の範囲や方法は部位によって異なります。2階以下であればすべて創建時のもの、というわけではありません。長い年月の中で補修や交換も行われてきました。
どこが新しく復原された部分?
1945年(昭和20年)の空襲で屋根や3階部分などが大きく損傷し、戦後の復旧工事では一部を除く3階が撤去され、南北ドームの屋根も簡素な形へ変更されました。
2012年に完成した保存・復原工事で、3階部分とドームの屋根・装飾が創建時の姿に復原されます。根拠となったのは、創建時の図面や写真、建物に残された痕跡です。
ここで押さえておきたいのは、復原された部分が「古い形を再現した新しい部分」だという点です。安全性や利便性のため、現代の材料や工法も使われています。
とはいえ、新しいから価値がないわけではありません。保存された部分と復原された部分が一体となって、現在の駅舎を構成しています。
一般利用者が古い部分を見られる場所
1. 丸の内駅舎の外壁
駅前広場などから、いつでも自由に眺められます。
ただし前述のとおり、外から個々のレンガの年代を判別することはできません。「2階以下に創建時から残る部分がある」という程度の理解で見るのがちょうどよいでしょう。
2. 丸の内北口・南口のドーム内部
通路として通り抜けられるため、気軽に見上げられます。
ただし、屋根や見上げの装飾は復原されたものです。すべてが1914年当時の現物というわけではありません。
3. 東京ステーションギャラリー
丸の内北口のドームに面した美術館です。館内では、丸の内駅舎の既存レンガ壁を生かした空間を間近に見ることができます。ただし、個々のレンガの製造年代や補修履歴を外観だけで判別することはできません。
注意点として、ここは改札外にある有料施設です。開館時間、休館日、入館料、展示替えによる休館、撮影の可否などは、訪問前に公式サイトで必ず確認してください。
4. 東京ステーションホテル
駅舎内で営業しているホテルです。歴史的な内部空間を見られる場所もありますが、ホテル館内は自由見学用の観光施設ではありません。宿泊、飲食、公式の館内ツアーなど、各サービスの利用条件に従ってください。
ホームやゼロキロポストの方が古い?
「駅なのだから、ホームの方が古いのでは」と思う方もいるかもしれません。
しかし、ホームは改良や移設が繰り返されてきました。たとえば中央線では、1995年(平成7年)に重層化された新ホームの使用が始まっています。開業当時の構造がそのまま残っているわけではありません。
ゼロキロポストについても、東京駅には複数の種類があります。現在見られる標識やモニュメントが、すべて開業時の現物とは限りません。
ほかの候補も見てみましょう。
- 銀の鈴や動輪展示……いずれも東京駅開業後に設けられた待ち合わせ場所・展示(銀の鈴の初代設置は1968年)
- 現在の八重洲側駅舎・商業施設や地下ホーム……丸の内駅舎の開業後に整備・更新されたもの
こうして比べると、現在残る建造物としては丸の内駅舎の創建時部分が最古級といえます。ただし、駅構内のあらゆる部材を調査したうえでの結論ではない点にご留意ください。
現地で確かめてみよう
まずは駅前広場から、駅舎の下層と上層を見比べてみてください。
次に、丸の内北口のドームへ。ここから東京ステーションギャラリーの入口も確認できます。
まとめ
最後に整理します。
- 東京駅の一番古い場所を建造物として考えると、1914年竣工の丸の内駅舎が代表的な最古級にあたる
- 駅舎には、創建時から残る構造レンガや外壁材がある
- 現在の駅舎全体が1914年当時のままではない
- 3階部分やドームの屋根などには、2012年に復原された部分がある
- 見た目だけで個々の部材の年代を判断することはできない
- 歴史的な部分を確認するなら、丸の内側の外観や東京ステーションギャラリーが候補になる
東京駅の古さを実感できるのは、ケースに収められた一点の展示物だけではありません。創建時の部分を残しながら100年以上使われ続けている丸の内駅舎そのものが、東京駅の歴史を最も分かりやすく伝えています。
第16話では「東京駅の新幹線ホームはなぜ八重洲側にある?」を紹介します。
参考資料
- 文化庁「国指定文化財等データベース 東京駅丸ノ内本屋」
- 文化庁「文化遺産オンライン 東京駅丸ノ内本屋」
- JR東日本「東京駅丸の内駅舎 保存・復原工事」
- JR東日本「JR東日本発足からのあゆみ」
- 東京ステーションシティ「丸の内駅舎の見どころ」
- 鹿島建設「東京駅丸の内駅舎保存・復原工事」関連技術資料
- 東京ステーションギャラリー「利用案内」および建物に関する公式案内
- 東京ステーションホテル 公式サイト(宿泊・館内案内)
※東京ステーションギャラリーの開館時間・休館日・入館料・撮影ルールは変更される場合があります。訪問前に公式サイトでご確認ください。
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